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2025.11.18

小学生の前歯のすきまは勝手に治る?


乳歯の頃は歯並びが整っていたのに生え変わりが始まると急に前歯が“ガタガタ”に・・
そんな変化に驚かれる保護者の方が少なくありません
実は、この時期の前歯の隙間には“自然なもの”と“注意が必要なもの”があります

今回はお子様のお口の成長を見守る上で知っておきたい大切なポイントを、歯科医師の視点からわかりやすく解説します

多くの前歯の隙間は“成長過程”


生え変わりが始まる前後の小学生の前歯の隙間やがたつきは、ほとんどが成長過程に見られる正常な状態です
乳歯の時は歯並びが整って見えても、永久歯に生え変わる途中は一時的に見た目が不安定になります
この時期を「みにくいあひるの子時代」と呼びます

ご心配されることが多いのですがあくまで成長過程で、この段階での前歯のがたつきは異常とは言いません

すきまは「永久歯が並ぶための準備」


生え変わりに生じる前歯の隙間は専門的には「発育空隙」とよび、顎が正常に成長している証拠でもあります
永久歯は乳歯より約1.5倍大きいため、生えるためにより広いスペースが必要だからです

このように充分に隙間ができた状態で永久歯は生えてくるため、一時的に
・前歯がハの字に傾く
・中央の隙間が大きく開く
といった歯並びが見られますが、これらの傾きや隙間は、生え変わりが進んでくるに従い自然に整うことがほとんどです

ただ、すべての隙間が自然に閉じるわけではありません

注意が必要な前歯の「すきま」


以下の原因がある場合は、生え変わりが進んでも隙間が残ることがあります

1. 過剰歯(余分な歯)がある場合
前歯の間の骨に、余分な歯が埋まっていることがあります
→→→レントゲンで確認し、時期を見て過剰歯を抜歯します

2. 上唇小帯が長い場合
上唇小帯(上唇の裏のスジ)が前歯の間に入り込むと、隙間が閉じにくくなります
→→→必要であれば上唇小帯を切除しますが、軽度の場合は経過観察で問題ないこともあります

3. 指しゃぶりの習慣
指が前歯を押す力によって歯が前に傾き、隙間が閉じにくくなります
→→→指しゃぶりを止める声かけやサポートを行います

4. 口呼吸・舌の癖
舌が前歯を前に押す力によって歯が前に傾き、隙間が閉じにくくなります
→→→正しい鼻呼吸ができるように口や舌のトレーニング(MFT)を行います

なんでも歯並び=矯正治療というわけではありません

生え変わり期は検診を受けましょう

【正常な隙間=成長の証】【治療が必要な隙間=原因への対処が必要】

生え変わりが始まる前後の小学生の前歯の隙間やがたつきは、成長過程の一部でありあまり心配いりません
しかし、“自然に整うもの”と“治療が必要なもの”があり、見た目だけで判断することは難しい場合があります

早い段階で原因に気づけば矯正をしなくても治るケースも多いため、生え変わりが始まる6〜7歳頃に一度歯科で検診を受けていただくことをおすすめします
気になる方はいつでもご相談ください

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